フコイダンと統合医療・胃がん


胃がんについて

胃がんの病期(ステージ)分類
深達度 ( T 1〜T 3 ) リンパ節転移(N0〜N3)
なし(N0) 1群まで(N1) 2群まで(N2) 3群まで(N3)
T1 粘膜/粘膜下層 1期 a 1期 b 2期 4期
T2 固有筋肉層/漿膜下層 1期 b 2期 3期 a 4期
T3 漿膜への浸潤 2期 3期 a 3期 b 4期
T4 周囲の臓器へ直接浸潤 3期 a 3期 b 4期 4期
3群リンパ節への転移、もしくは、他臓器に転移のあるもの ( M1 遠隔転移のあるもの ) は 4期

ステージごとの標準的治療法

病期 診断 主な治療法
1期 a がんは粘膜、または粘膜下層にとどまっている. リンパ節廓清をともなう外科手術を行う.
内視鏡による切除手術など.
b がんは粘膜、または粘膜下層にとどまっているが、リンパ節への転移は1群におよんでいる.
または、粘膜を越えて胃壁の筋肉層や漿膜下層に浸潤している. リンパ節転移がある場合は、開腹手術を行う.
※胃の部分切除または全摘出、リンパ節
郭清、胃の再建
術前、術後に放射線治療を補助的に行うこと
がある.
手術が困難な場合は、化学療法や、放射線
治療を行う.
2期 ・ がんが粘膜下層にとどまっているが、リンパ節への転移は2群におよんでいる.
・ 筋肉層や漿膜下層に浸潤しているが、リンパ節への転移は1群までである.
・ がんが漿膜に浸潤している.
3期 a ・ がんが、筋肉層や漿膜下層に浸潤しており、
リンパ節への転移は2群におよんでいる.
・ がんが漿膜に浸潤しているが、リンパ節への転移は1群までである.
・ 周囲の臓器に浸潤しているが、リンパ節への転移はない. 可能であれば、切除手術を行う.
※根治的手術はリンパ節転移が広範に
及ばない時に限る
術前、術後に放射線治療を補助的に行うことがある.
手術が困難な場合は、放射線治療や化学療法を行う.
b がんは漿膜に浸潤しており、リンパ節への転移は2群におよんでいる.
または、周囲の臓器に浸潤しているが、リンパ節への転移は1群までである.
4期 リンパ節への転移は3群まで広がっている、
または遠隔転移している. 可能であれば切除手術を行う.
対症療法、緩和療法を行う.
また、臨床試験への参加も考えられる.

外科療法

外科療法は、病巣を含めた胃の切除、周辺のリンパ節の切除(リンパ節郭清)、食べ物の通り道の再建 からなっています。
がんが進行していて、すでに腹膜などに転移している場合、主病巣である胃袋の切除と再建だけを行ったり、狭窄部位にバイパスをつくる手術が行われたりしますが、このような手術は姑息的(こそくてき)手術と 呼ばれています。これに対して、少なくとも肉眼的には、完全にがんが切除できる場合に、胃の切除、郭清、再建のすべてが行われるものを根治的(こんちてき)手術と呼びます。

胃の切除方法、切除範囲
胃切除の範囲はがんの部位、進みぐあいの両方から決定されます。
リンパ節郭清がいらないがん、つまりリンパ節へ転移している可能性がほとんどないがんでは、理想的
には内視鏡による病巣を含んだ胃粘膜の切除、それが難しい場合には、腹腔鏡または開腹により、胃の
ごく一部だけを切除する方法(局所切除)がとられます。
リンパ節郭清が必要な場合のうち、がんの部位が 噴門に近い場合、または、がんが 噴門の近くまで
這ってきている場合は胃の全摘、がんの位置が 噴門と離れていれば 幽門側胃切除 が行われます。
この場合、胃の 2/3から 4/5程度が 切除されますが、胃の入口である噴門は温存され、ある程度の胃
体部が残ります。
がんの部位が 噴門に近くても、比較的小さな早期胃がんの場合は、噴門側胃切除 が行われることも
あります。 しかし、胃酸の分泌をはじめ、胃袋固有の機能は、胃体部 (胃の上半部) を切除してしまうと
なくなってしまうので、胃体部の、大きながんに対して、わざわざ幽門前庭部( 胃の出口側 1/3 )を残す
メリットは明らかにされておりません。

通常のリンパ節郭清を行うと、幽門の開閉を調節している神経が切れてしまい、胃の出口が閉じたまま
になってしまいますので、胃全摘や幽門側切除では幽門も含めて切除します。そのため、手術後は食べ
物が、胃や代用胃 (小腸でつくることが多い) にたまっている時間が短く、食べられる量が少なくなり、 かつ、早くお腹がすくという食生活のパターンになってしまいます。

局所切除や、内視鏡的切除を選ぶことの意味は、胃の2つの門を残すことで 胃の機能が温存できるので、従来とほとんど変わりない食生活ができます。
しかし、リンパ節転移のある確率が 10%のがんの 場合に、この治療を選択するということは、10人にひとりの割合で、やがてがんが再発する、ということに なります。
一方、手術がもとで亡くなる確率は、全摘出でおよそ1%、幽門側胃切除で 0.2%ですから、転移の 危険性が 1%程度 の場合は局所的な治療を選ぶのも道理かもしれません。
また、余病のある人では、 手術の危険性は 通常より高くなりますので、手術の危険性と後遺症、がんの再発の防止という観点から、 どの治療法が最適かを担当医とよく相談することが大切です。
リンパ節郭清と周辺臓器の合併切除 がんの深達度に比例してリンパ節に転移している頻度が増し、より遠くのリンパ節まで転移している場合が増えます。
早期胃がんでは、1次リンパ節への転移だけに とどまることが多いのですが、進行 がん、それも漿膜まで侵されているようながんでは、2群、3群のリンパ節まで転移します。
2群リンパ節は転移頻度も高く、また切除効果も高いので、そこまで含めて切除する方法がD2手術 と呼ばれ、現在の一般的な手術となっています。
3群リンパ節の郭清効果はまだ評価が定まっていませんが、積極的に行っている病院もあります。
現在、その治療効果は 臨床試験という方法で科学的 評価を行っています。
胃の上部がんの2次リンパ節には、脾臓のすぐそばのリンパ節や、膵尾部 (膵臓のしっぽにあたる 左半分) にそったリンパ節が含まれ、胃とともに膵尾部や脾臓を合併切除することも、しばしば行われ ます。
しかし、膵臓の切除後にその切り口から膵液が漏れたり、感染をおこして膿瘍を合併したりしやすいので、がんが直接 膵臓に浸潤していない場合、 また、膵臓にそったリンパ節に明らかな転移を 認めない場合には、膵臓を切らないでリンパ節だけ郭清する方法をとることが一般的になりました。
脾臓は古くなった白血球、血小板、赤血球などを壊すところといわれていますが、乳幼児のころには 人間の免疫にとって重要な働きをもっています。
成人でも、脾臓をとった後には、肺炎球菌という細菌 に対する抵抗力が落ちることがあるといわれていますが、頻度は 1%以下 程度と推測されており必要 以上に心配することはありません。
むしろ、がんに対する脾臓の影響の方が大きいと思われ、進行がんでは、脾臓は腫瘍に対する免疫 力を抑制する方向に働いており、胃全摘の場合、脾臓を合併切除する方がよいという意見もあります。
早期胃がんでは原則的に脾臓は温存されます。
この他高度の進行がんで膵頭部と十二指腸全長を胆管とともに切除したり、肝臓、横行結腸を合併切除することもあります。
消化管の再建 幽門側胃切除後は、残った胃袋と十二指腸を直接つなぎ合わせる方法 (ビルロートI法) か、十二 指腸断端を閉鎖し、残胃と空腸 (十二指腸の次に来る上部の小腸) を吻合する方法 (ルーワイ法)で 再建されます。 これまで、再建の単純さと流れが生理的ということで、ビルロートI法 が多く用いられて きましたが、この方法は 縫合不全 が多いことや、胆汁が 残胃や食道へ逆流することから、再検討され はじめています。
「胃角」 といわれる胃の中央よりやや出口寄りの部位は、入口と出口が固定されている胃袋が、折れ 曲がるところで、そこからこの名前が与えられていますが、この 「胃角」 付近に発生した早期胃がんは、 胃の出口付近 2〜3cm の部位を出口の開閉を調節している神経とともに温存し、それと 胃の入口側 1/3からなる残胃を吻合する 「幽門保存胃切除」 という方法で治療されることが増えてきました。 
幽門の排出調節機能を温存でき、後遺症の少ない手術です。
しかし、3〜4週間程度で回復しますが、14〜15人にひとりくらい の割合で、術後早期の時期に、胃に 食物が停滞し、なかなか食事が進まない方がいます。
胃全摘は食道と十二指腸の間に腸を代用胃として入れる空腸間置法と、十二指腸断端を閉鎖してしまう方法に大別できます。
各々に、まっすぐな腸管を そのまま用いる方法、空腸のループを 用いる 方法、 空腸で袋をつくり、代用胃 (パウチ) とする方法などがあります。
これらは術者の好みで行われている状況でどの再建法が 最も優れているかを客観的に評価した 十分なデータはありません。
理論的には、食物が十二指腸を通過すると脂肪の吸収がよいといわれて いますが、実際にはそのような差はなさそうです。
空腸間置手術や、複雑なパウチを形成する方法は、 手術の危険性をわずかですが増加させ、逆に 単純で危険度の低いルーワイ法には、とりわけデメリット がないことから、ルーワイ法が最もよく用いられます。
胃全摘や、幽門側胃切除後は、いずれの再建法でも 食物の流れを調節する幽門の機能は、再建 できませんので、結局再建法間に大きな差はありません。
術後の食事摂取に関しては、幽門側胃切除のほうが 全摘 より良いようですが、消化吸収は小腸で 行われますので、胃全摘を受けても通常の社会生活に困ることはありません。
一方 胃の局所切除では 胃の大部分と幽門機能が温存されますので、術後の食生活は、はるかによい状態を保てます。
しかし、がんの治療は 治癒 が第一の目標ですから、損なう可能性のある機能や、後遺症の大きさと 手術で得られる治癒の可能性をバランスにかけて決定していきます。
手術のリスクと合併症 胃がんの手術で、合併症として最も多いものは、膵臓周辺のリンパ節を 郭清することによっておこる 膵液瘻 (すいえきろう:膵臓の分泌液である膵液が一時的に漏れる状態) です。
膵尾部を切除した場合では40%、 膵臓は切除せず、脾臓と 脾臓につながっている動脈を一緒に 切除し、膵尾部周辺のリンパ節を完全に郭清する場合は 約20% で発生します。
いずれも胃の上部 のがんでしか行われない手術法で、幽門側胃切除の場合は膵液瘻はまれです。
次に問題となるのは、消化管をつないだ部分が漏れる縫合不全です。
この合併症は手術後の死亡に最も結びつきやすいものです。
10年前のデータでは、胃全摘や噴門 側切除後の食道空腸吻合では、縫合不全が約 4% ありましたが、最近の5年間では 1%に改善しま した。
幽門側胃切除後、胃と十二指腸を直接つなぐ方法では 2〜3%、 胃と空腸をつなぐ方法では 0.3% 程度です。
手術後の在院死率 (一度も退院できずに死亡する方の割合) としては、胃全摘後で 1%、幽門側 胃切除後で 0.2% です。
その他、腹壁の感染、肺炎、出血、腸閉塞などの合併症が 1〜2% みられます。
手術後の後遺症 胃の手術を受けて一番大きく変わるのは食生活です。
胃全摘や幽門側胃切除で、「速やかに相当量の食物を受けつけ、それらを一定時間蓄えて効率よく 徐々に腸に送り出す」 という、胃の本来の役割が損なわれてしまいますので、食物を 早く食べることが 難しくなり、同時に早くお腹がすくようになります。
また、胃の出口が開放状態なので、食べ物が食後 ただちに、どんどん小腸へ流れ込み、消化吸収 されるので、血液中の糖分の値 (血糖値) は食後急激に上昇します。
それに反応して、血糖値を下 げるホルモンである インシュリン が大量に分泌されるのですが、 そのころには 食物の糖源はすでに ほとんど吸収された後ですから、血糖値はどんどん下がってしまいます。
そのため、食後 2〜3時間 のころに突然、脱力感、冷汗、倦怠感(けんたいかん)、集中力の途絶、 めまい、手や指の震え、まれですが、ひどい場合は意識が遠のくようなことまでおこります。
これを後期 あるいは晩期ダンピング症候群と呼びます。
これに比べて まれにしか見られないのですが、食事直後から30分以内に発現する動悸、発汗、め まい、眠気、腹鳴 (お腹がごろごろはげしく鳴ること) 、脱力感、顔面紅潮や蒼白、下痢 などがおこる ことがあり、早期ダンピング症候群と呼ばれています。これは主として、糖分の濃い食物がそのまま腸に 流れ込み、その浸透圧に反応して、多量の腸液が急激に分泌されておこる現象とされています。
この他には、術後 20〜30% の頻度で胆石が発生し、また、カルシウムや鉄分の吸収が悪くなる、と いわれています。
特に閉経後の女性では、胃全摘後に骨の変化が出やすいようです。
内視鏡的治療 内視鏡的治療には、内視鏡的粘膜切除以外にも内視鏡的レーザー治療、光化学療法などがあります が、ここでは内視鏡的粘膜切除術についてのみ説明します。
内視鏡下で、病巣粘膜の下に生理食塩水、あるいは止血のための 薬剤を含んだ 生理食塩水などを 注入して病変の粘膜を浮き上がらせ、スネアと呼ばれる輪状の針金、あるいは内視鏡で扱える細いナイフ のようなものを用いて粘膜を焼き切る方法。
開腹もせず、全身麻酔もかけず、順調にいけば20〜30分で終了できます。
ただし、大きな病変で、数切片に分けて切除する場合は 1〜2時間 かかることもあります。
この治療で切除された病変を 2mm 刻みにくまなく検索し、病変のどこにもリンパ管や静脈への浸潤が ないこと、 粘膜下層への浸潤がないこと 、切り口にがんがなく完全に切除していることを顕微鏡的に確認 できれば、リンパ節転移をとり残している可能性は極めて低くなります。
万一、これらの所見があれば、通常の開腹手術を行います。
合併症としては、出血と穿孔がありますが、仮におこった場合にも、内視鏡下止血や内視鏡下のクリップ を使った穿孔部閉鎖術が行われ、それらのために開腹手術を行うことはほとんどなくなりました。
早期胃がんのうち、以下の4条件をすべて満たすものは、リンパ節に転移している可能性が極めて低く、内視鏡的な局所の切除で十分治癒できると考えられます。
1. 粘膜内に限局するがん
2. 組織型が分化型である
3. 病巣内に潰瘍、あるいは潰瘍瘢痕(はんこん)がない
4. 大きさが3cm未満である
早期胃がんの再発が術後 10年前後 でもおこりうることから考えて、内視鏡的治療の治療成績が 評価 されるのはこれからということになります。
その際、2つの問題を考えなければいけません。
ひとつはリンパ節を郭清していないため、リンパ節再発、さらにそれを核とした全身再発が 発生していな いか、ふたつ目は病巣ぎりぎりで切除しているので、局所再発がおこっていないかということです。
1987年 からの10年間に上記条件を満たした 471例 のうち、粘膜下層に浸潤していた 72例を除いた 399例で 検討すると、内視鏡切除された切片の端にがんが見つかっていなかった261症例では、局所再発は 4例 (1. 5%) に認めました。
しかし、まだ経過観察期間は短いのですが、最近開発されたITナイフという道具で切除した 41例 では再発はありませんでした
化学療法 外科療法で切除しきれない場合 再発した場合や 外科療法で切除しきれない場合、治療を受けた方の約半数において その腫瘍を 50%近く縮小する効果をみせる薬剤は出てきましたが、完全に消失することは、依然極めてまれです。
したがって、薬だけの治療の目標は、延命あるいは、腫瘍を切除しきるために手術に先立って、腫瘍を 縮小させるということになります。
このような抗がん剤の効果は、リンパ節転移は著明だが 他に転移がない場合に、化学療法でリンパ 節に転移したがんが 著明に縮小する場合が多く、2〜3 コースの化学療法後に 根治手術 ( 腫瘍を 肉眼的に完全に切除しきる手術 ) ができることがしばしばあります。
術前には切除しきれなかった腫瘍が、縮小あるいは、消失したことによって、残存する腫瘍を外科的 に切除することで、すべての腫瘍を除去することができるようになったということです。
このようなケース では、最初に外科療法を行う場合には ほとんど望めない完全治癒も 十分ありえます。
有望な抗がん剤の組み合わせとしては、フルオロウラシル+シスプラチン、メソトレキセート+フルオ ロウラシル、エトポシド+アドリアマイシン+シスプラチン、シスプラチン+イリノテカンなどをあげることが できます。
さらに、新規経口抗がん剤の、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム ( TS-1 : ティ エスワン) は有望視されています。
再発を予防する化学療法 (補助化学療法) 手術後の、再発予防の目的で行われる補助化学療法は、比較的副作用が軽い薬剤で行われること が多いのですが、 残念ながら その効果ははっきりしていません。
場合によっては、 再発予防効果を もつとも考えられますが、その割合が低いのが問題です。
効果がそれほど望めないにしても、服用しないよりは服用しておいたほうがよいと考えられがちですが、 それは大きな間違いです。 
補助化学療法では、たとえ副作用があっても、治療により 治癒する方が 確実に増えることが投与の絶対条件となります。
副作用 がん細胞にだけ選択的に効く薬はなく、抗がん剤は身体の中で新陳代謝の盛んな細胞も、同時に 壊してしまうため、副作用は避けられません。
頭髪、消化管粘膜、骨髄などに作用し、脱毛、口内炎、下痢、吐き気、 白血球や血小板の減少が おこります。
またそれ以外には、心臓に対する直接作用があったり、薬剤の代謝や排泄で重要な肝臓 や腎臓に障害をおこすこともあります。
放射線治療 放射線治療は、がん病巣にX線や重粒子線などを照射して、がん細胞を殺す治療法です。
放射線治療は、多くのがんで、重要な選択肢 となっていますが、胃がんにおいては 外科手術が最も 重要視されているため、現段階では、手術前にがんを縮小させるための補助的療法として、または、病巣 に慢性的な出血があるなどの理由で、手術が不可能な場合の選択肢に限られています。



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