フコイダンと統合医療/乳がん2


外科療法

乳房にできたがんを切除するために行い、がん組織を含めた周りの正常組織を同時に切除します。
切除する範囲は乳房内でのがんの拡がりによって決められます。
通常、乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。
これを 「腋窩 (えきか) リンパ節郭清」 と呼びます。
乳がんの手術には、次のような術式があります。

乳房のしこりを切除する手術 ( がん病巣の切除 )

腫瘍核出術
乳房のしこりだけを切除する手術です。吸引細胞診や針生検で術前にがんの診断がつかない
時に行われることが多く、がんの手術としては一般的ではありません。

乳房部分切除術
しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法で、「乳房温存手術」 と呼ばれます。
病変の部位や拡がりによって、乳頭を中心にした扇形に切除、あるいはがんの周囲に2センチ
程度の安全域をとって円形に切除します。
しこりが大きい場合、乳がんが乳腺内で拡がっている時、乳腺内にしこりが複数ある場合には、
原則として温存手術の適応にはなりません。
通常手術後に放射線照射を行い、残された乳房の中での再発を防ぎます。

単純乳房切除術
がんのできた側の乳房を全部切除し、腋窩リンパ節の切除は行わない場合をいいます。

胸筋温存乳房切除術
乳房とわきの下のリンパ節を切除し、場合によって、胸の筋肉の一部分を切り離すこともあります。
この術式が最も一般的な乳がんの手術方法です。

胸筋合併乳房切除術 (ハルステッド法)
乳房とわきの下のリンパ節だけでなく、乳腺の下にある大胸筋や小胸筋を切除します。
かつてはこの手術方法が標準的手術方法として実施されてきましたが、現在では、がんが胸の
筋肉に達している場合だけ行われます。


乳房再建術 ( がん病巣切除後の、乳房の再建 )
がんを切除する手術で失われた乳房を自分の筋肉、または人工物を使用し形成する手術です。
乳頭を形成することもできます。
わきの下のリンパ節 ( 腋窩リンパ節 ) に対する手術

腋窩リンパ節郭清
通常、乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。
これを「腋窩リンパ節郭清」と呼びます。
腋窩リンパ節郭清は、乳がんの領域でのリンパ節再発を予防するだけでなく、再発の可能性を
予測し、術後に薬物療法が必要かどうかを検討する意味で重要です。
腋窩リンパ節郭清を行うと、手術をした側の腕にリンパ浮腫(むくみ)が出たり、肩の痛みや運動
障害がおきることがあります。

センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節とは日本語で「見張り番リンパ節」という意味であり、乳がんからこぼれ落ちた
がん細胞が最初に到達する乳腺の領域リンパ節のことを指します。
がんの近傍に放射線同位元素や色素を注射することにより見つけます。
多くの場合は、わきの下のリンパ節がセンチネルリンパ節になります。
センチネルリンパ節生検は、腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよい可能性がある患者さんを選ぶ
手段として期待されていますが、現在ではまだ研究段階の治療です。


放射線療法

乳がんでは、外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行われる場合
(これを 「術後放射線療法」 といいます)と、骨の痛みなど転移した病巣による症状を緩和するために
行われる場合があります。

放射線を照射する範囲や量は、放射線治療を行う目的、病巣のある場所、また病変の広さなどによって
選択されます。
副作用は、病巣周囲の正常組織にも放射線が照射されることによっておこり、放射線があたった領域に
含まれる臓器に特有の副作用が出現します。
例えば、腰椎に放射線をあてた場合は皮膚や消化管の炎症などが予想されます。


薬物療法 ( ホルモン療法 、化学療法 、分子標的療法 )

乳がんの治療に用いられる薬は、ホルモン療法、化学療法、新しい分子標的療法の3種類があります。
薬物療法には薬によって重篤度は異なりますが、多かれ少なかれ副作用が予想されます。
また副作用は治療を受ける人それぞれで出方に違いがあり、個人差があります。
薬物療法を受ける場合には、薬物療法の目的、期待される治療効果、予想される副作用と、その対策
などについて十分な説明を受け、理解することが大切です。

ホルモン療法

約7割の乳がんはホルモン受容体を持っており、ホルモン受容体を有する乳がんは女性ホルモン
(エストロゲン)の刺激ががんの増殖に影響しているとされます。
手術でとった乳がん組織中のホルモン受容体 (エストロゲン受容体と、プロゲステロン受容体) を
検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんか、そうでない乳がんかが、ある程度
わかります。

女性ホルモンに影響されやすい乳がんを、「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と
呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。

生理があって卵巣機能が活発な女性では卵巣が女性ホルモンの主な供給源になります。
また、女性は通常50歳前後を境に卵巣の働きが衰えることにより、生理が止まり「閉経」を迎えます。
閉経後の女性では、卵巣からの女性ホルモンの分泌は停止し、副腎皮質から分泌される男性ホル
モンが原料となって、「アロマターゼ」と呼ばれる酵素の働きによって、女性ホルモンがわずかに産生
されます。
閉経後の女性では女性ホルモンのレベルは閉経前に比べ1/100程度に減少します。

ホルモン療法には抗エストロゲン剤、選択的アロマターゼ阻害剤、黄体ホルモン分泌刺激ホルモン
抑制剤などがあります。
乳がんの術後や、転移性乳がんに用いられる 「タモキシフェン」 は代表的な抗エストロゲン剤であり、
女性ホルモンのエストロゲン受容体への結合を阻害します。

選択的アロマターゼ阻害剤の作用機序は、アロマターゼの働きを抑え、閉経後の女性において女性
ホルモンの産生を抑えます。
閉経前の場合は、卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑える 「黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤」
を使用します。
その他、プロゲステロン製剤などがありますが、作用機序はよくわかっていません。

ホルモン療法の副作用は、化学療法に比べて一般的に軽いのが特徴ですが、タモキシフェンの長期
使用者では子宮がんや血栓症のリスクが、選択的アロマターゼ阻害剤の場合には骨粗鬆症のリスクが
高まります。

化学療法 ( 抗がん剤 )

乳がんは比較的化学療法に反応しやすいがんとされています。
化学療法はがん細胞を死滅させる一方で、がん細胞以外の骨髄細胞、消化管の粘膜細胞、毛根
細胞などの正常の細胞にも作用し、白血球、血小板の減少、吐き気や嘔吐、食欲低下、脱毛など
の副作用があらわれます。

乳がんに対して用いられる化学療法には、注射薬や内服薬がありますが、使用する薬剤や、その
投与法によって、副作用の特性やその頻度などは異なりますので、事前に十分な説明を受けて、
心構えをつくっておくことが大切です。


分子標的療法 ―ハーセプチン―

乳がんのうち20%〜30%は、乳がん細胞の表面に 「HER2タンパク」 と呼ばれるタンパク質をたくさん
持っており、このHER2タンパク は乳がんの増殖に関与していると考えられています。
最近このHER2をねらい撃ちした治療法 (分子標的療法) が開発され、乳がん治療を大きくかえました。ハーセプチン治療はHER2タンパク、あるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんにのみ、効果が期待されます。



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