フコイダンと統合医療/対症療法対症療法こうしてみても分かるとおり、西洋医学は総じて 「対症療法」 ともいえます。 「対症療法」 とは、表面的な 症状の消失、あるいは緩和を目的とした治療法のことです。 これはなにも、がん治療だけに限ったことではなく、たとえば、風邪をひいた時だってそうです。 風邪薬は、かぜ症状を 「軽減」 させてはくれますが、風邪を完治させてはくれません。 最後に直すのは、患者さんの身体に備わっている治癒力(免疫力)です。 そして誰でも、今度は 「風邪をひかないように」 気をつけて生活するでしょう。がんも一緒です。 抗がん剤や放射線は、がんを 「小さく」 してくれるかもしれませんが、がんを完全に 「なくす」 ことは、できません。 からだの中にはびこるがん細胞を退治し、完治をもたらしてくれるのは、患者さん自身の治癒力なのです。 そして、がんを再発させないためには、患者さん自身による、生活改善の取り組みが大切なのです。 この治癒力を高める為の療法こそが、「代替医療」 であるといえます。 それでは引き続き、「代替医療」 について見ていくことにしましょう。 代替医療とは「代替医療」 いう呼び名は、主にアメリカで使われてきた言葉で、ヨーロッパでは 「補完医療」 と呼ばれ、 大きくは 「西洋医学以外の療法」 特に 「外科手術や化学療法、放射線療法といった従来のがん治療の限界を補う療法」 と、位置付けられています。現在、代替医療とよばれるものの内容は多岐にわたり、WHO (世界保健機構) によると、医学的論拠が 認められる代替医療は世界におよそ 100 あるといわれています。 その中で、がんに対しての実績が認められる、代表的な療法には、 ・ 漢方・鍼・灸・気功 などの東洋医学や、アーユルヴェーダなどのインド医学といった 「伝統医学」 ・ 栄養免疫学の原理に従って、食事を整える 「食事療法」、または 「栄養療法」 ・ 機能性食品、健康食品などのサプリメントによる 「サプリメント療法」 ・ ストレスを減らし、免疫力を向上させるための 「心理療法」 や 「ハーブ療法」 などがあげられます。 こうした代替医療への取り組みの結果、期待されるメリットとしては、1 ) がん自体に影響を与える2 ) 健康状態全般、および免疫機能を改善する 3 ) 化学療法と放射線治療の、副作用を軽減する 4 ) 化学療法と放射線治療の、効果を高める 5 ) クオリティー・オブ・ライフ(生活の質)を改善する。 ということ などが挙げられます。 日本国内においては、近年になってやっと関心が高まってきたかのように見える代替医療ですが、国際的に見れば、代替療法への取り組みが本格化し始めたのは、最近のことではありません。 特にアメリカ合衆国では1992年に、国立衛生研究所が 「代替医療調査室(現在の国立相補・代替医療研究センター)」 を設立し、年間2億ドルともいわれる研究費を投じ、国を挙げて代替医療への取り組みが行われています。 また、医科 大学においても代替医療の講座の設置が推進されており、現在ではアリゾナ大学をはじめハーバード、コロンビア、 スタンフォード、エール、テキサス大学など 125の医学部のうち82校で代替医療が講義されています。こうした流れを受け、アメリカ国内では医師の60%以上が代替医療を推奨し、47%の国民が代替医療を 利用しているそうです。 西洋医学の最先端を誇るアメリカにおいても、今や国民の半数 (がん患者の場合は約80%) が、西洋医学に加えて、何らかの代替医療を利用しているのです。 外科手術や抗がん剤治療、放射線治療の三大治療法は、がん細胞に対して、外から強烈な力を加えて 攻撃するため、確かにパワフルで即効性がありますが、副作用が強く、免疫力を削ぎ落としてしまいます。 これに対して代替医療は、方法は多岐にわたりますが、ほぼ共通して言えることは、人間が本来もっている治癒力を引き出すことで病気を治そうという考え方に基づいていますから、副作用は殆どなく、むしろQOL (生活の質) を改善します。 つまり西洋医学が 「対症療法」 であるのにくらべて、代替医療とは、「体のバランスを取り戻させて、治癒力を高める療法」 「免疫系を高めることで病気を予防し、治癒させるための療法」 ともいえます。 西洋医学と代替療法には、それぞれに長所があり、相補的なので、長所をうまく取り入れながら 賢く組み 合わせることがいいのです。 しかし残念ながら、現在の日本においては、医療従事者における代替医療に対する認識はうすく、知識も 情報もないため、患者や家族に代替医療の相談をされても、なにも応えることが出来ないというのが現状です。 「分からない」 から結局は、「お好きなように」 と放任してしまうわけです。 そして中には、代替療法に転換 しようと希望する患者に対し、「私の治療が信用できないのか」 と、怒り出す医者までいるのです。 このため 患者さんは、主治医から批判されたり、嘲笑されることを恐れて、代替医療を利用していることを病院には話しません。 これは医者にとっても患者にとっても、好ましい状況ではありません。 残念なことに、医者から 「もう治療法がない」 と言われ、ホスピスなどに入ってから本格的に、代替医療を利用しはじめる患者さんが多いのです。 ※ 代替医療の適切な利用は、西洋医学による治療の効果を助け、必ず良い結果をもたらします。ただし、世の中には 「代替医療」 という名を装った、単なるお金儲けのため だけの 「似非 (エセ) 療法」 も存在し、残念ながらそれが、代替医療に対する不信感を作り出し、代替医療の普及に対して足を引っぱっているという現状もあります。ただ単に 「がんに効く」 といって、患者さんに根拠のない希望を持たせる似非療法が見せるはかない夢は、夢というにはあまりにも罪が深く、なんの治癒効果も引き出せないばかりか、患者さんの貴重な時間、貴重な体力、貴重な気力を奪い去っていきます。代替医療の中で、「どれが良質で、どれが悪質なのか」 「どれが科学的根拠に基づいていて、どれが基づいていないか」ということを見極めることが大事です。 この見極めは、患者さんには難しいかもしれません。 西洋医学・代替医療に詳しい医師や専門家と、じっくり話し合っていく必要があります。 |