フコイダンと統合医療・免疫について免疫の強さ免疫の強さを測るには前述したように、ネズミを使った実験をする時、悪性のがんを発がんさせるためには、およそ100万個もの がん細胞が必要になります。ところが、このネズミに放射線をあて、リンパ球を減らしておくと、たったの1000個注射しただけで、簡単に発がんしてしまいます。 それだけ、がん細胞はリンパ球に退治されやすく、リンパ球が、がん抑制の大切なポイントになっているということです。 ふつう、がん患者さんというのは、がん細胞が出す免疫抑制物質の影響や、これまでの三大治療法 (外科 手術、放射線治療、抗がん剤治療) で受けたダメージやストレスによって、血液中の白血球の数が減少したり、リンパ球の数が減少したりと、いわゆる「免疫抑制」の状態になっています。 ですので、がん治療において、しっかりとした治療の見通しを立てるため、また、治療の経過を確認していく上でも、身体の中にある 「がんに対する免疫力の強さ」、つまり 「リンパ球の状態」 をしっかり見極めることは、とても大切なことです。 白血球は大きく分けて、顆粒球 (60%)、リンパ球 (35%)、マクロファージ(5%) から成り立っていますが、主にがん細胞への攻撃を行うのは、リンパ球です。免疫力の強さをはかるには、リンパ球の 「割合と数」、そして、リンパ球をとりまく 「環境」 から把握することができます。 まずは、リンパ球の「割合と数」について見てみましょう。 からだが健康な状態のときには、白血球のなかで、リンパ球が占める割合は、35〜41% といわれています。 それに対して、一般的にがん患者さんは、このリンパ球の割合が低く、30%以下という場合が多いようです。 このリンパ球の割合が、30%を超えてくると 「がんの自然退縮がはじまる」 と、いわれています。 また、たとえ割合が少なくても、リンパ球の数が、1マイクロリットルの血液中に1800個くらいあれば、がんの自然退縮が はじまるというデータもあります。 つぎに、リンパ球の「環境」について見てみましょう。 リンパ球のなかには、「T細胞」、「NK細胞」、「B細胞」がありますが、このなかで、がん細胞を攻撃するのは「T細胞」と 「NK 細胞」です。 「B細胞」の働きは、がん治療においては有効とはいえません。そして 「T細胞」 をくわしく見てみると、「キラーT細胞」、「ヘルパーT細胞」 に分けられます。 直接がんを攻撃するのが、「キラーT細胞」で、もうひとつの 「ヘルパーT細胞」は、攻撃司令塔としての役割をもっています。 さらに、この 「ヘルパーT細胞」 には、1型( Th1 )と 2型( Th2 )があって、ガン細胞の攻撃を司令するのは1型で、2型は、アレルギー反応にかかわっています。 そして、これら 1型ヘルパーT細胞と、2型ヘルパーT細胞は、相反関係にあって、一方が活性化すると、 もう一方は抑制されるという関係になっています。 1型 が活性化されると、抗がん性サイトカイン (活性物質) を分泌して 「キラーT細胞」 や、「NK細胞」 を活性させますので、 がん細胞への攻撃力を高めることができます。 この、抗がん性サイトカイン (活性物質) には、インターフェロン・γ(ガンマ)や、インターロイキン・12 などがあります。 一方、2型 が活性されると、悪玉サイトカインを分泌して1型を抑制してしまいます。 その結果、「キラーT細胞」や「NK細胞」が弱まりますから、ガン細胞への攻撃力は低下してしまいます。 つまり、ガンに対しての免疫細胞の攻撃力というのは、 ・ ヘルパーT細胞 のなかの 1型 と 2型 の 「バランス」 と、 ・ 抗がん性サイトカイン ( 活性物質 ) の 「量」 によって 左右されているわけです。 前述の刺絡療法による刺激も、1型 と 2型 のバランスを整え、リンパ球の活性をうながす治療法です。 また抗ガン性サイトカイン の放出には、リンパ球の一種である 「マクロファージ」 という細胞の活性化が必要になりますが、多くの場合には 健康食品類などによる刺激が、活性化をうながします。 これらの療法によって、1型ヘルパーT細胞の比率を高めて、「キラーT細胞」や「NK細胞」を活性化させることでガン細胞への攻撃力を高め、治療効果の向上、体力の向上、そして生活の質の向上へと良いサイクルを作り出すことが出来るのです。 理想とされる免疫環境リンパ球の数と、ヘルパーT細胞のバランス? リンパ球数 (血液1マイクロリットル中に) 1200 個 以上 ? 1型ヘルパーT細胞(Th1) 20 % 以上 ? 2型ヘルパーT細胞(Th2) 3 % 以下 ? Th1:Th2 (1型と2型の比率) 8 : 1 以上 (1型ヘルパーT細胞) ÷ (2型ヘルパーT細胞) が 8 以上 Th1を活性させる為の抗がん性サイトカイン(活性物質)の量 ? インターフェロン・γ 7.8 pg/ml 以上 ? インターロイキン・12 10.0 pg/ml 以上 ガン細胞を攻撃する「NK細胞」の活性度を示す指標 ? NK活性 18〜50 % その他、ガン細胞の活動性を示す「p53」については ? p53 1.0U/ml 以下 じつは、がんの治療を受けている患者さんの多くは、これら免疫機能の検査を行っていない場合がほとんどです。 そして中には、画像検査や腫瘍マーカーの数値のみで、末期ガンの宣告を受けている方もいらっしゃるわけです。 ガンに対しての体力「免疫力」が自分のからだの中にどのくらいあるのか。 もしこれを見きわめずに、ガンの進行状態だけを見て諦めるとすれば、それは非常にもったいないことです。 現時点でこれらの条件が満たされなかったとしても、これからの取り組みの中で免疫機能をあげ、この数値に近づけば近づくほど、ガンを免疫機能でやっつける期待がもてるのです。 |