フコイダンと統合医療・温熱療法


がんは熱に弱い

「がんが治るということと、発熱するということの間には、どうやら関連がありそうだ」ということは昔からよく言われていました。

実際に、がん患者が高熱を出した直後に、がんが小さくなったり、がんが消えたりするといったことや、高熱を発する病気にかかった人はがんになりにくいという事例があったこと、また、「自然治癒」 したがんのうち、およそ1/3で発熱していたという報告などが相次ぎ、1960年ごろから本格的に、がんに対しての「温熱療法」が研究され始めたのです。

今ではあまり見られなくなりましたが、昔ながらの水銀体温計では、41度までしか目盛りが振っていなかったのを覚えていらっしゃるでしょうか。実は、人の細胞は、42.5℃以上の温度に長時間さらされると死んでしまいます。
これは正常細胞も、がん細胞も同じです。

人間の体には、体温を調節し、一定に保つ働きがあります。

体内の正常な組織に熱が加えられると、血管が広がり、その部分には血液がたくさん流れ込むようになります。
その結果、熱が体外に放出されるので、体温を一定に保つことができるのです。

ところが、癌細胞を通る血管は、正常な組織にある血管とは異なり、温めても血管が拡張しないので、血流量は増えません。
その結果、がん細胞は熱を放出することができずに、熱がこもってしまい周りの組織に比べて、温度が高くなるのです。
このため、正常細胞とがん細胞を、同じ様に加熱しても、がん細胞は正常な細胞に比べて、1.5〜2℃高くなります。
たとえば、がん細胞を43℃までに加温したとしても、周囲の正常組織は 41℃くらいにしかならないので、ほとんど障害を受けずにすみます。
こうして、正常細胞が 42.5℃以上にならないように病巣を温めれば、正常な組織を破壊することなく、癌細胞を死滅させることができるのです。

がん細胞と熱の関係 

1 がん細胞のたんぱく質は、正常細胞のたんぱく質よりも熱に弱い。
42℃で温めた時、正常細胞はダメージを受けないが、ガン細胞は死滅し始める。
2 がん細胞には、正常細胞と比べて血管が少なく、血管が拡張しないため、温めても血流を増やすことができない。そのため、熱を放出できずに温度が高くなってしまう。
3 がん細胞は温められても血流を増やせないことから、酸欠状態になりやすい。

このようにがん細胞には、「正常な細胞より温まりやすく、熱に弱い」という性質があります。
この性質を利用して、がん細胞の温度だけを選択的に上昇させて、がん細胞を死滅させようと研究されたのが温熱療法です。


温熱療法

温熱療法には、がんやその近辺だけを温める「局所温熱療法」と、全身を加温する「全身温熱療法」 とがあります。

局所温熱療法 
電磁波を発生させる高周波装置を使って、患部を照射、病巣部分を局所的に加温する方法

全身温熱療法 
体外循環装置を使って、いったん取り出した血液を加熱し、体内に戻すことで全身を加温する方法
遠赤外線を使って全身を加温する方法

局所温熱療法
局所温熱療法とは、電子レンジに使われている マイクロ波やラジオ波 などの電磁波を使って、腫瘍部分を高熱にする方法
です。

この方法は、身体の表面に近いがんは、目的の温度まで比較的容易に 温めることができますが、身体の奥深いところにある
がんは、脂肪や骨などが邪魔をして十分に温めることが難しい場合も多く、温熱療法の効果が不十分になる可能性があります。
そのため、現段階では、局所温熱療法が単独で行われることは少なく、ほとんどの施設では、放射線治療や抗がん剤治療の効
果を高めるための補助療法という形で行われています。


写真のような 大掛かりな装置をみると、気おくれしてしまう方も いらっしゃるかもしれませんが、民間療法としての「温熱療法」というと歴史は古く、一説によると、今から約5000年前の古代エジプト時代には、熱を利用した療法があったともいわれています。

そして日本でも、民間療法として温熱療法は古くから利用されていました。
それが、薬効効果の高い「ビワの葉」を使った、「ビワの葉温熱療法」という治療法です。

ビワの葉温熱療法は、「ビワの葉療法」 と 「温灸療法」 を合せた療法で、ビワの葉を患部やツボに当てて、さらに、その上に棒もぐさを立てて 温灸する方法で、身体の内部まで熱がとどき、中の臓器を効果的に温めることができることから、別名 「天然の放射線療法」 ともよばれています。

また、ビワがもつ薬理作用についても、これまでに科学的な研究によって解明されており、ビワの葉や、種に含まれるアミグダリン( ビタミンB17 ) という成分が、特に注目されています。
アミグダリンは、体内に入って、「青酸」と「ベンツアルデヒド」「安息香酸」という物質に分解されますが、これらの物質には、抗がん作用や抗炎症作用のほか、たいへんすぐれた鎮痛作用があり、がん性の痛みに対して、高い効果があることが解っています。

これまで、ビワの葉温熱療法には 「けむりが出る」 「においがする」 「火の粉や灰の始末が大変」  などの安全性の面で難点があったため、自宅での取り組みはなかなかむずかしく、専門の治療院に通っての治療という方が多かったのですが、現在は、専用の機器が開発されたことにより、そのような難点も解消され、自宅でも快適に取り組むことができるようになっています。

全身温熱療法

全身温熱療法のメリットは、全身を加温することで、からだのどこに腫瘍があっても (気づかずに転移しているがんに対しても)、治療効果があげられることです。

以前は、「体外循環装置」を使って、いったん取り出した血液を加熱し、体内に戻すことで全身を加温する方法が研究され、一定の治療効果が認められるとして、医学界で大いに注目されました。

しかし、実際には患者さんの身体的、経済的な負担があまりにも大きすぎるということで、現在では ほとんど行われなくなっています。
そこで現在は、「遠赤外線」 を使って全身を加温する、「遠赤外線温熱療法」 が広く行われ、遠赤外線を照射する装置を使う方法のほか、赤外線を放射する特殊な石材を使った遠赤外線サウナなども利用されています。

遠赤外線は、身体の表面だけでなく、深部まで浸透していく熱線です。その赤外線によって体が、深部から温められると、普通の汗ではあまり出てこない、ニッケルやカドミウムなどの重金属、ダイオキシン類などの有害物質も一緒に排出されてきます。
これは、普通の汗が主に汗腺から出てくるのに対して、遠赤外線で身体が深部から温められると、皮脂腺からも、汗が出てくるからだと言われています。

こうした全身温熱療法のメリットは、がんに対する直接の「熱攻撃」だけではなく、放射線治療や抗がん剤治療の効果を助けると同時に、体温を上昇させることで、免疫機能の向上が見られることです。
普通のお風呂や温泉につかるだけでは、ガン細胞が死ぬ程までに温度を上げることができないため、「熱攻撃」としての効果は、あまり期待できませんが、体を温めることによって免疫力が活性化され、 がんに対する治癒力を高めることができます。

そのため最近では、「熱攻撃」としての効果や、放射線や抗がん剤の効果を高めるという効果だけを 期待するのではなく、免疫力を高める効果を期待して温熱療法を行なうようになってきています。



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