フコイダンと統合医療/肝臓がん



肝臓がんのステージごとの標準的治療法

病期 診断 主な治療方法
1期 がんの大きさは2センチ以下で血管への浸潤はない. 外科治療を行う.
(部分切除、左右どちらかの葉切除 )
または、がんに直接エタノールを注入する  直接経皮的エタノール注入療法や、肝動脈の血流をふさぐ肝動脈塞栓術、局所化学療法 などを行うこともある.
2期 ・ がんの大きさは2センチ以下で血管に浸潤している.
・ がんの大きさは2センチ以上であるが、血管への浸潤はない.
・ 大きさは2センチ以下であるが、左右どちらかの葉に多発している.
3期 がんは1ヶ所に限局しているが、大きさは2センチ以上で血管へ浸潤している.
または、左右どちらかの葉に限局してはいるが、大きさは2センチ以上で多発している.
近くのリンパ節に転移していることもある. 基本的に切除手術は行わない.
肝動脈塞栓術、経皮的エタノール注入療法、
局所化学療法、放射線治療などを、単独、
または併用で行う.
肝移植の選択もある.
4期 a ・ がんは両方の葉に多発し、門脈や肝静脈の大分岐に浸潤している.
・ 胆のう以外の隣接する臓器に広がっている.
・ 肝がん破裂を起こしている. 対症療法、緩和療法を行う.
臨床試験への参加を試みる.
再発の場合は、肝硬変の有無で治療の仕方がかわる.
b 遠隔転移している.
また、肝機能のよし悪しを分類するのが「肝障害度」分類です。「肝障害度」は、A、B、Cの3段階に
分けられます。AからCの順序で肝障害の程度が強いことをあらわします。
項目
肝障害度A B C
腹水 ない 治療効果あり 治療効果少ない
血清ビリルビン値 (mg/dl) 2.0未満 2.0以上、3.0以下 3.0超
血清アルブミン値 (g/dl) 3.5超 3.0以上、3.5以下 3.0未満
ICG R15 (%) 15未満 15以上、40以下 40超
プロトロンビン活性値 (%) 80超 50以上、80以下 50未満
本来はこのように細かな数字で規定されていますが、およそ次のような状態に相当します。
A:肝臓障害の自覚症状がない。
B:症状をたまに自覚する。
C:いつも症状がある。
肝臓がんの治療法は、肝切除、肝動脈塞栓術、穿刺療法の3療法が中心です。
この他に、放射線療法や化学療法(抗がん剤投与)がありますが、放射線療法は骨に転移した時など対象が限られており、化学療法は効く確率が低く、効果があまり期待できません。

肝切除、肝動脈塞栓術、穿刺療法は、それぞれ長所・短所があり、一概に優劣をつけることはできません。
がんの進みぐあい、肝機能の状況などの条件を十分考慮した上で選択されます。

表に肝がんのさまざまな病態ごとに、可能な治療法を示しますが、これはあくまで大きな目安に過ぎず、あまり実際的ではありません。

病期 肝障害度

A B C
ステージ1 肝切除 ・ 穿刺 ・ TAE 肝切除 ・ 穿刺 ・ TAE 穿刺 ・ TAE
ステージ2 肝切除 ・ 穿刺 ・ TAE 肝切除 ・ 穿刺 ・ TAE 穿刺 ・ TAE
ステージ3 肝切除 ・ TAE 肝切除 ・ TAE TAE
ステージ4 肝切除 ・ TAE 肝切除 ・ TAE TAE
※ TAEは 肝動脈塞栓術 、穿刺は 穿刺療法


外科療法

肝切除

肝切除は、がん部を含めて肝臓の一部を切りとる方法で、原理は極めて単純です。
最大の利点は、「がんを治す」という効果が一番確実なことです。
欠点は、がんの治療のためとはいえ身体に傷をつけ、合併症も少なからずあり、手術に起因する
死亡が1、2%あること、標準的には2週間の入院とその後数週間の自宅療養が必要であること、
手術前と同じ社会活動に戻るには半年前後かかることなどです。

肝切除の対象となるには、いくつかの条件があります。
体力的には日常生活のすべてを他人の介助なくできる体力が必要なこと、肝機能的には強い自覚
症状がなく腹水や黄疸がないことなどです。
こうした肝機能の条件を 「機能的条件」 といいます。
「機能的条件」から、肝臓の何%まで切除可能かが決まります。

もうひとつの重要な条件は、がんの進みぐあいはどの程度かということです。がんの大きさ、数、分布状態などを「解剖学的条件」といい

ますが、場合によって状況はさまざまです。
解剖学的条件から、がんを治すためには肝臓の何%を切除する必要があるかが決まります。

先の 「機能的条件」 からみた切除可能範囲(%)が、解剖学的条件からみた切除必要範囲(%)
より大きければ切除可能となります。
したがって、直径が2〜3センチ程度の小さながんで、1個だけという場合でも、肝臓の中での位置や
肝機能の程度により、手術できることもありますし、手術不能ということもあります。
また、手術という治療法は技術に依存するところが大きいため、手術の対象となる条件は施設により
異なります。

肝動脈塞栓術 ( TAE )

肝動脈塞栓術とは、がんに酸素を供給している血管を人工的にふさぎ、がんを窒息させる治療法です。
具体的には、大腿部(ふともも)のつけ根の部分にある大腿動脈へカテーテルを差し込み、先端を肝動脈へ進めます。
このカテーテルを通じて、ゼラチン・スポンジを2、3 mm角大に細かくしたものや、その他の薬剤を注入し、肝動脈を詰まらせてしまいます。
「肝動脈を塞栓してしまうと、肝がんだけでなく肝臓の正常部分も窒息してしまうのではないか」 と心配されるかもしれません。
しかし、その心配は無用です。
肝臓へ血液を送るルートとしては、「肝動脈」の他に、腸から来る血液の流通路である「門脈」という血管があります。
正常肝細胞は、このどちらのルートからでも酸素の供給を受けることができるのに対して、肝がん細胞は「肝動脈」ルートからだけしか酸素をもらうことができません。
したがって、人工的にゼラチン・スポンジで肝動脈を塞栓させると、正常肝細胞は門脈から酸素の供給を受け生存し続けますが、肝がん細胞は窒息してしまいます。
これが肝動脈塞栓術の原理です。 この治療法は、がんが肝臓の内部にとどまっているかぎりは、解剖学的条件による制限をあまり受けません。

また、肝機能の制限も比較的緩く、黄疸・腹水などがなければ施行可能です。
1回の治療に要する入院期間は1週間程度と短く、副作用としては、腹痛・吐き気・食欲不振・発熱などがありますが、2、3日でおさまります。
退院後は1〜2週間ほどで社会復帰が可能です。
このように、肝動脈塞栓術は他の治療法に比べて治療対象の制限が少ないため多くの患者さんに対して行われています。
ただし、完全に治ってしまう確率はあまり高くありませんので、繰り返し行ってがんを抑え込んでいくというかたちになります。

穿刺療法 ( 経皮的エタノール注入療法 、ラジオ波焼灼療法 、マイクロウエーブ凝固療法 )
経皮的エタノール注入療法
経皮的エタノール注入療法とは、100%エタノール、すなわち純アルコールを肝がんの部分へ注射して、アルコールの化学作用によりがん組織を死滅させる治療法です。
超音波検査でがんの正確な場所にねらいをつけて注射をします。
したがって、超音波でよく見えない場合は、アルコール注射が安全かつ十分にできないこともあります。
一般にがんの大きさは3センチより小さく、がんの個数は3個以下がこの治療の対象とされています。

しかし、よい効果が得られるのは2センチ以下のもので、2センチを超えると、アルコールとの接触が完全に行われない場合もあり、治療成績は落ちます。
がんの大きさ・数などの制限があることやがんの一部が残ってしまう危険性があるという欠点はありますが、比較的手軽に行うことができ、身体に与える副作用が少なく、短期間で社会復帰できるという利点があります。

ラジオ波焼灼療法 及び マイクロウエーブ凝固療法
これら2つの治療も、超音波検査のガイドにより、特殊な針を体外から肝がんへ差し込みます。
通電することによりその針の先端部分から熱が発生します。
熱の温度はラジオ波が摂氏100度程度、マイクロウエーブで300度程度です。
これらの治療法も小型肝がんが対象となります。
やはり2cm以下の場合が絶好の適応です。

エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロウエーブ凝固療法はいずれも局所麻酔で、「体外から肝臓へ針を刺す」という点で同じです。これら3つの治療法の使い分けは、必ずしも明確ではありませんが、最近はラジオ波焼灼療法を受ける方が増加しつつあります。



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